小学校の先生を120%楽しむ毎日

超人見知り。内向型人間です。でも先生やってます。セミナー開催もしています。

美容師さんに教わったこと

心地よいコミュニケーションに勝るサービスはない。今日、美容院に行き、そう確信した。

 

サービスは人に対して行われる。

そのサービスの良し悪しは、サービスを受けた側が主観的に判断する。

サービスを受けた人間が、心地よく思うことでサービスはサービスとして成り立つ。

 

例えば、私は小学校時代、散髪は実家近くの商店街の床屋に行っていた。行くと、母親がこんな感じで髪切ってください。とオーダーし、その間に買い物をするというパターンが決まっていた。

3年生の時、私の誕生日のときに撮った写真を母に持たされ、「とりあえず、こんな風に切ってください。とお願いしてごらん。」と言われ、1人で散髪しに行った。

 

床屋の人に言うと、大層困った様子で…「これじゃ、横が見れないからなあ」と言われ、迷惑そうに散髪が始まり、私は子どもながらに「申し訳ないな」と思い、せめてカットしやすいように、なるべく動かないように終始緊張し、姿勢を正して散髪が終わるのを待った。髪をなで付けるクシが地肌に当たって、今日はやけに痛いなぁ、と思ったことを覚えている。

 

ようやく終わり、去り際に。

「これじゃあ分からないから、もし写真でオーダーするなら、横からと、後ろからも撮った写真持ってくるようにして」

と言われた。

 

こうして文字にすると、もっともなことだし、なんてことない、店側の切実な要求だと思えるのだが、言われた私は大層ショックを受けて哀しい気持ちで店を出た。

なぜなら、相手側の迷惑そうな口ぶりと表情を見たからである。「あれだけ、気を遣って姿勢を正して、なるべく動かないようにしてたのに、それでも許してくれないんだ。」と思った。

こんな経験をしたから、私はその床屋が大嫌いになったし、今でも散髪そのものが好きではない。

しかし、床屋の後、家に帰ると、母親は「お、さっぱりしたじゃん。いいね、その髪型。」とあっけらかんと言っていた。

 

この一例では、確かに、髪を切るというサービスは受けているし、結果として要望通りの髪型になっている。

しかし、これはサービスを提供してもらったとは思えない。

私は、散髪中ずっと緊張し、店を出る前に悲しい思いをさせられたからだ。「別にこんな思いをしてまで、散髪したくない。なんだったら、自分で切る。」そんな風に思った。

 

しかし、今日の美容院を出るときの気持ちはこのときの気持ちと全くもって正反対だった。

温かいきもち。充実した気持ち。疲れもとれ、やる気にみなぎった状態。美容師さんへの心からの感謝の気持ち。

 

本当に新鮮な体験だった。

散髪ってこんなにいいものだったの?と思った。

 

そう思えた大きな要因が、美容師さんとのコミュニケーションである。

 

私は、基本的に美容師さんとおしゃべりせずに寝るか、雑誌をめちゃくちゃ集中して読むかのどちらかである。

 

しかし、今日は待たされることもなく、美容師さんが満面の笑みで迎えてくれ、気さくに、ごく自然に話しかけてきた。

すると、なぜか私も特に身構えることもなく話ができてしまった。

たまに、おしゃべり好きな美容師さんが、「さあ、これから楽しませますよ☆」と言わんばかりに話しかけてくる時がある。

そういう人は苦手だ。緊張する…というかハラハラする。だいたいそういう人は持ちネタを持ってて、「滑らない話」を話し始める。その時、対して面白くなくてもなんとなく笑わざるを得ない空気になっており、愛想笑いをする羽目になる。

それとは、全く違う。

 

本当に自然と。

 

「なんか、今日は店が静かだ…」と美容師さんが呟いた。

私も、「夏休みは空いてるんですか?」と特になにも考えず反射的に返すことができた。

それからポツポツ話していくうちに、「なんかもういいか。」と思って小学校の教師であることまでカミングアウトしてしまった。

 

相手に身構えさせずに、自然体で接する人って本当にすごいなあと思う。

 

相手にもいい意味で気を遣わせず、無条件で信頼される。その結果として、相手からガンガン情報を引っ張り出すことができる。もちろんこちらとしては、情報を引っ張り出されている感覚は全くなく、単にこちら側がどんどん発信したくなるのだ。

 

なんか、この辺のメカニズムを解明すれば、授業で手が挙がらない…

といった、教師の悩みを解決することができそうだ。

 

とにかく、そんな感じで

美容師さんと話しているうちに、あっという間に散髪も終わり、軽くマッサージ。

 

そのマッサージも超丁寧。軽く、どころではない。

大事にされてる感満載。何より気持ちいい。

 

極楽、極楽…といった気分で終了。

 

心底名残惜しかったし、もっと話したかった。

 

 

今日、美容師さんに教わったこと。

 

それは、心地よいコミュニケーションの重要性。その鍵は自然体。相手に対し身構えないこと。